扇面

母方の母方に、現在の富山県で宿屋を営んでいた人がいたようだ。 この宿屋の旦那、絵が好きで好きでたまらなくて、ついに京都に出たそうだ。その人の面倒をみるためについて行かされたのが、実の娘で、その娘が人拐いにあうように男に連れて来られたのが、北の果て北海道は知床の根元にあった斜里郡清里町だったから、人の道行きというのは、わ […]

Cave

「みちのね」の入り口には、手形を掲げている。 それは、超古代とも言える時間感覚を自分の仕事に入れ込みたいという想いがあるからだ。 もう一つ言うならば、絵画や彫刻といったジャンルの分化がなされる以前に戻ろうという感覚も含んでいる。 例えば、数年前に、200万年前につくられたと推定されている石像が、イタリアで、発見されたそ […]

みちのね

2001年、黒田芸術文化交流センター・ルスツ・アート・スペースみちのね 旧・黒田小学校活用の開設あいさつに、以下のことばが記された。 「留寿都村黒田小学校は、1909(明治42)年に、本貫別山の麓に開校した小学校です。周辺は畑作、酪農地帯で近年の農家の離農に伴い児童数が減少し、1995(平成7)年に閉校となりました。そ […]

いのちの粒子 〜 Particles of Life

何年前のことだったろう。 友人の個展で、札幌の時計台ギャラリーを訪れた時、突然、小説家の荒巻義男さんから、話しかけて頂いた。 「僕は、言語による表現は、いろいろと実験してきましたから、次に生まれ変わるときには、造形言語を研究したいんです。それも抽象をね。だから、絵が描きたい。画廊をやって、みんなのを見せてもらって、今度 […]

2020/2/2

「彫刻しなくて、どうするんですか。」 僕は、先生からずいぶんとそう言われた。 ふと、まるで地中に埋められた時限爆弾が破裂するように、高橋清先生について思い出す。 先生は、戦時中、海軍兵学校に進み、終戦の年に卒業される。 その時、二十歳。 死を覚悟されていたはずだ。 「生きていることのとまどい。」に翻弄されるなか、彫刻と […]

200/1/30

同窓の松末から花が届く。 厳寒の澄んだ空気に花の香りが広がる。 新年に送った黒田小学校のリーフレットを見て、お祝いを贈ってくれたのだ。 校内に新たな展示壁も完成した。 グッドタイミングだ。 日食なつこの新曲「四十路」を爆音、ヘビーローテションで聴きつつ、校内の展示も進めている。時々股ぐらをストーブで温め、薬缶の白湯を飲 […]

2020/1/29

手を止めていた作品に手を出す。 忙しいとか、粘土が凍るとか、鋳造の費用がかかるとか、心の中が言い訳放題満載で、キリがない。「だったらいいのかよ、結局出来ないんだぜ〜。」悪魔なのか、天使なのか、さわさわと語りかけるものがいる。 その声は、あんまり一人で居過ぎるからか、妙にはっきりとしていて幻聴のようだ。 今出来る一歩、一 […]

2020/1/22

笑顔の発見。 やっぱり、ここだなと思う。 太鼓のロクさんの像をつくらせていただいた頃、もうあれから、五年にもなるのだけれど、脳が切れるほど表情で悩んでたっけ。 あれは、大きかった。 資料写真を見ていると、「いっつも、やけに機嫌のいい人だなぁ〜。」とは、思っていたが、彫刻としてずっと笑ってるのもどうかと思った。 単純に、 […]

2020/1/16

惑星を彫る。 火星の岩壁を彫ったら? メキシコで、観音像を彫りながら思っていたのは、そのこと。 イーロン・マスクやジェフ・ベゾスが2020年中には、火星に最接近すると言っている。北海道でも、赤平の植松電機や大樹町のインターステラテクノロジズのロケット開発もぐんぐんと進行中だ。 天文学者カール・セーガン原作の映画「コンタ […]