笑顔の発見。
やっぱり、ここだなと思う。
太鼓のロクさんの像をつくらせていただいた頃、もうあれから、五年にもなるのだけれど、脳が切れるほど表情で悩んでたっけ。
あれは、大きかった。
資料写真を見ていると、「いっつも、やけに機嫌のいい人だなぁ〜。」とは、思っていたが、彫刻としてずっと笑ってるのもどうかと思った。
単純に、そこのところを上手く表現出来ない自分を残念に思ってもいた。
とにかく七転八倒、何度も潰そうと思ったし、つくっているその場から逃げ出したい時さえあった。それでも、どうにかしてピリッと焦点を合わせたかった。
まあ、それだけ没頭していたってことだろう。
活路が開いたのは、一度、全てをご和算にしてやり直そうと、もう一度始め直した瞬間だった。
あれからつくった肖像を並べてみると、みんな笑顔で笑っている。
やっぱり、こっちなんだ。