Cave

「みちのね」の入り口には、手形を掲げている。 それは、超古代とも言える時間感覚を自分の仕事に入れ込みたいという想いがあるからだ。 もう一つ言うならば、絵画や彫刻といったジャンルの分化がなされる以前に戻ろうという感覚も含んでいる。 例えば、数年前に、200万年前につくられたと推定されている石像が、イタリアで、発見されたそ […]

2020/2/2

「彫刻しなくて、どうするんですか。」 僕は、先生からずいぶんとそう言われた。 ふと、まるで地中に埋められた時限爆弾が破裂するように、高橋清先生について思い出す。 先生は、戦時中、海軍兵学校に進み、終戦の年に卒業される。 その時、二十歳。 死を覚悟されていたはずだ。 「生きていることのとまどい。」に翻弄されるなか、彫刻と […]

200/1/30

同窓の松末から花が届く。 厳寒の澄んだ空気に花の香りが広がる。 新年に送った黒田小学校のリーフレットを見て、お祝いを贈ってくれたのだ。 校内に新たな展示壁も完成した。 グッドタイミングだ。 日食なつこの新曲「四十路」を爆音、ヘビーローテションで聴きつつ、校内の展示も進めている。時々股ぐらをストーブで温め、薬缶の白湯を飲 […]

2020/1/29

手を止めていた作品に手を出す。 忙しいとか、粘土が凍るとか、鋳造の費用がかかるとか、心の中が言い訳放題満載で、キリがない。「だったらいいのかよ、結局出来ないんだぜ〜。」悪魔なのか、天使なのか、さわさわと語りかけるものがいる。 その声は、あんまり一人で居過ぎるからか、妙にはっきりとしていて幻聴のようだ。 今出来る一歩、一 […]

2020/1/22

笑顔の発見。 やっぱり、ここだなと思う。 太鼓のロクさんの像をつくらせていただいた頃、もうあれから、五年にもなるのだけれど、脳が切れるほど表情で悩んでたっけ。 あれは、大きかった。 資料写真を見ていると、「いっつも、やけに機嫌のいい人だなぁ〜。」とは、思っていたが、彫刻としてずっと笑ってるのもどうかと思った。 単純に、 […]

2020/1/16

惑星を彫る。 火星の岩壁を彫ったら? メキシコで、観音像を彫りながら思っていたのは、そのこと。 イーロン・マスクやジェフ・ベゾスが2020年中には、火星に最接近すると言っている。北海道でも、赤平の植松電機や大樹町のインターステラテクノロジズのロケット開発もぐんぐんと進行中だ。 天文学者カール・セーガン原作の映画「コンタ […]

2020/1/8〜1/15

小学校の同級生、永井君からのコメントに「はっ!」として、以前つくった頭像を引っ張り出して見詰める。 この像は、「お地蔵さんを。」ということで始めた時のもの。互いの距離を近づけるために一週間通って、日常の中で邪魔にならぬよう、お話をうかがったり、音楽を聴いたり、お茶を飲んだり、見るともなしに日常の表情をスケッチした。 像 […]

2019/12/25〜2020/1/3

粘土入れから取り出し、頭像にする。 一つは、オホーツクの人。「矜持」と、テーマを定めてやってきたが、訳あって制作を中断した。等身像として制作したが、全てばらして粘土入れに戻した。しかし、頭部はどうしてもばらせず、そのまま粘土入れに戻してあったのだ。久しぶりに見ると凍れて崩れかけている。見つけたなにか、ちりじりばらばらに […]

くりのみ幼稚園

栗のみ幼稚園

→ Panorama 「くりのみ幼稚園」理事長であった西澤桂一氏の御遺志によって、私に像のお話があったのは、2015年初夏のこと。彫刻家~望月 健 氏 ,画家~北口さつき 氏を通じてお声がかかった。その前段階として紆余曲折を経つつ、随分と長く制作者を捜しておられたようだ。 2016年春に直接、「くりのみ幼稚園」を訪問し […]